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その23 「夜明けの行灯」

行灯といえば
その昔、座敷に必要不可欠だった
明かりをさす。
イワシの油から菜種の油まで
懐具合で油の種類が変わった。

では、なぜ、この字を使うのか。
元はといえば、
夜道を行くのに足元を照らす明かり、
つまり、どこかへ行く折、使ったことに由来する。

イメージともあれ、
行灯があるおかげで、
真っ暗やみで過ごさなくてよくなった。
裁縫仕事をしたり、
読書をしたり、
思い思いの時間が過ごせた。

その行灯も夜が明ければ不用になる。
別の言い方をすれば
あってもなくてもいい存在になる。
行灯から見れば、
そんなご都合主義な、
と一言言いたいところかもしれない。

が、お聴きあれ。
夫婦、あるいは親子で喧嘩をした場合、
互いに本音をぶちまけあうと
収拾がつかなくなる。
そこで夜明けまで、一晩、おく。
明日になれば必要がない存在、
つまり、冷静になって、
もとの鞘に収まる寸法である。

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