活動報告

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わたしの「平成しぐさ」「ふるさとしぐさ」コンクール 優秀作品発表会・記念講演会、開催(2009.11.15)

昨年に引き続き行った『わたしの「平成しぐさ」「ふるさとしぐさ」コンクール』の優秀作品発表会・記念講演会が11月15日午後、東京・内幸町の内幸町ホールで行われました。参加者は受賞者を含め約150人、三遊亭竜楽師匠の講演と口演、大江戸文化振興ネットワークによる人形劇などを楽しみました。

会場の内幸町ホールはJR新橋駅の西側、第一ホテルに隣接する施設の地下にあります。千代田区立のため使用料が格安です。抽選で今年の春先に引き当てたものです。いつも竜楽師匠が独演会をしているところで、不思議なご縁を感じます。

落語を通じて味わう江戸しぐさ

イメージプログラムの第一部は竜楽師匠による「古典落語に見る江戸しぐさ」講演と口演。たまたまその前日、イタリア、フランスでの23日間にわたる口演旅行から帰国したばかりとあって、世界共通のしぐさと笑いが枕になりました。
『長短』という気が長い人物と気の短い人の会話を素材にした落語について、フランス語、イタリア語、英語で、実際に演じ分けると、みな必ず笑ってくれるポイントがあると言います。落ちは、気の短い男のたもとにタバコの吸い殻が入ったのを見て、気の長い男がゆっくりその危険を教えるというもの。言葉は違っても、しぐさが万国共通語であることがわかります。そして、本題の江戸しぐさへ。
「江戸商人にとっては挨拶がきちんとできるかどうかが、まず基本になる」、「相手の話に相鎚が上手に打てると話がはずむ」、「相手にいやな思いをさせようと思ったら相手の言うことを鸚鵡返しにすればよい」など、古典落語にある事例を引きながらポイントを上げていきます。
ここで、いったん舞台の袖に引いたあと、出囃子とともに高座へ上がりました。立ったままの講演から、一挙に場面転換です。本物の落語の口演が始まるというわけです。演出の妙で、会場の皆さんも身体を乗り出します。
取り上げたのは『井戸の茶碗』。仲間から正直清兵衛と呼ばれる屑屋が取り持つ、浪人千代田卜斎と細川藩家臣高木佐太夫の頑固者同士の仏像をめぐるやりとりが面白い。
朴斎が金に困って伝来の仏像を屑屋に引き取ってもらった。屑屋は高く売れたら差額は折半にする約束だったが、佐太夫が仏像を洗うと、底から50両が出てきたので大騒ぎ。買ったのは仏像で、小判は買っていないと言い張る佐太夫、売ってしまったものから何が出ようが自分のものではない」という卜斎。間に入った精兵衛さんが次々に起こる難問に知恵を絞るのですが……

いったん落語に落ちがついたところで、幕が降りかけて、また、上がります……竜楽さんの解説が入りました。「要は武士の江戸しぐさ、町人の江戸しぐさがふんだんに登場、いずれも筋を通すことについて真剣だった、ということがお分かりでしょうか」。みなさん、大納得でした。

表彰式、インタビューが好評

第二部は入賞者44人(応募者は平成しぐさ240、ふるさとしぐさ32)の表彰式。地方の方が多いため、壇上に上がったのは15人でしたが、子供から大人まで、年齢や体験に応じて、越川理事長がインタビュー、そのやりとりが会場の皆さんの共感を誘っていました。
子供たちについては「いかが、今のお気持ちは?」。それが大人になると「どんな時に、こうした素晴らしい着想が浮かびましたか?」。
答えは「もっとみんなが思いやりの気持ちを大切にしてほしい」「教師になるつもり。江戸しぐさを子供たちに引き継ぎたい」など。前回の反省から、もっと入賞者にしゃべってもらうという仕掛けは成功でした。
講評は審査委員の堤江実さんから。「言葉の持つ力をもっと生かしたい。このコンクールが果たす役割は大きい。将来が楽しみ」と詩人らしい。これを受けて、審査委員長の青木匡光さんは「ふるさとしぐさをもっともっと掘り起こして、日本人の良さを実感してほしい」。経営評論家で経営者とのお付き合いが深いだけに人間論へ。

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人形劇「三吉、日本橋で江戸しぐさを知る」

イメージ正会員の伊東萬里子さんの脚本・演出で、大江戸文化振興ネットワークの皆さんの人形とやはり正会員の尾崎栄子さんが特別出演しました。
この物語は、呉服店の丁稚、三吉が使いに行く途中で、急ぐあまり相手に衝突したりしたが、往来では譲り合いの心が大切ということを理解、「傘かしげ」や「蟹歩き」を実行するという展開になっています。最初に悪いしぐさを紹介、よいしぐさに変わるところがみそです。
ふつう、人形劇では特設舞台の中で、人形同士がやり取りします。しかし、今回は特設ステージの前に、人間が出て人形とやり取りし、立体感を出しました。さすがにNHKによく出演しているだけに見せました。
今後の江戸しぐさの普及に大きな力を発揮してくれそうです。

なお、会場では休憩時間を利用して、発刊されたばかりの人づくりと江戸しぐさ――おもしろ義塾』(越川禮子・桐山勝、MOKU出版、本体1,500円)が販売されたほか、甲府青年会議所の有志がはっぴ姿でカンパを集める光景も見られました。

最後になりましたが、このイベント実施に当たっては、数多くの方々に、ご協力いただきました。厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

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